旅づくし
菅沼佐和子 文と写真の修業用ブログ
プロフィール

さわこ

Author:さわこ
SAWAKO
人呼んで「埼玉の女マルコ・ポーロ(笑)」。現在は東京在住です。編集プロダクションで旅行ガイドブックの編集を経験後、バックパッカーとして世界を巡る。これまでに訪れた国は100以上。現在はフリーランスライター&編集者として、再び旅行ガイドブック作成に関わる日々。
旅の素晴らしさ、世界の文化の多様さを、多くの人に伝えたいと願っています。

メール:sawakon29@hotmail.com
------------------------
★各記事のコメント欄は閉じてあります。コメントは拍手コメントか、このページの左下のほうにあるリンク先の掲示板でお願いします。
★あと、拍手を下さる方、どうもありがとうございます。とっても嬉しいです!



最近の記事



カテゴリー



ブログ内検索



リンク

このブログをリンクに追加する



スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

日本人の旅の原点、熊野古道を歩く
天高くそびえる木々の根元に、苔むした石だたみの道が延びている。

見通しが悪く、湿度の非常に高い低山のただ中で、方角もわからぬまま登り、また下る。

あたりはひっそりと静まり返り、漂う霧が幻想的な雰囲気を醸し出している。

140830-1.jpg

先日、和歌山県にある熊野古道を歩いてきた。

紀伊半島にいくつものルートが延びるこの道は、熊野三山と呼ばれる神社や寺院を訪れる参詣道として発達したもの。
この熊野詣では11世紀末ごろから盛んになり、江戸時代には庶民の間でも盛んに行われ、明治の終わりごろまで続いたという。

かつての日本人にとって、旅の始まりは巡礼目的の旅だった。
その起源が熊野詣でだといわれているそうだ。

140830-9c.jpg

熊野古道は「紀伊山地の霊場と参詣道」として、2004年に世界遺産に登録された。
道が世界遺産になることは珍しく、世界でもこことスペインの巡礼道(サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路)の2つのみだという。

おもに5つのルートがあるようだが、私と友人は和歌山県の那智大社から本宮大社方面へ向かう「中辺路(なかへじ)」の一部を歩くことにした。
「大雲取越」「小雲取越」と呼ばれる区間だ。

140830-2.jpg
那智大社の近くから山を分け入る

140830-3.jpg
すべりそうになりながら緑の石段を登る。
景色の変化はほとんどなく、ビューポイントも少ない。
人ともめったに出会わず、慣れるまではかなり心細かった

140830-4.jpg
これはホトトギスの花だろうか

小口という場所で泊まり、翌日さらに歩く。
歩みののろい私たちは、初日は8時間半、翌日は7時間弱かけて進んだ。

風が吹かないと、暑くて汗がしたたり落ちる。
つらい。なぜ私はわざわざこんなところを歩いているんだろう。
心にわき起こるそんな疑問を振り払いつつ、ひたすら足を前に運ぶ。

140830-5.jpg


140830-6.jpg

何かが出そうな雰囲気の古道。
友達が「怪談をしながら歩くと盛り上がるだろうね」という。
でも2人とも怖がりなのでこの案は却下。

140830-7.jpg
トマトに化けているとしか思えないキノコ

140830-9.jpg
松畑茶屋跡。このように各地に茶屋や旅籠があったようだが、現在は跡形もない

8月末にこのルートを歩いていて、すれ違ったのは2日間でたったの4グループだった。そのうち2組が外国人。
日本人の間ですらマイナーな場所のようなのに、この西洋人の多さには驚いた。

ひと気が少なく、あまりにも静かなため、かつてのにぎやかな様子がいっそう鮮やかによみがえるような気がする。
世間話をする巡礼者の笑い声、客引きの活気ある呼び声、料理を作る音や匂い・・・。

そういうものを実際に体験できたら、と願わずにはいられない。
時代を越えて旅をしたい、というのは、旅人の究極の夢のひとつだろう。

140830-9b.jpg
ゴールの本宮町請川近くからの熊野川の眺め
   
スポンサーサイト





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。