旅づくし
菅沼佐和子 文と写真の修業用ブログ
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さわこ

Author:さわこ
SAWAKO
人呼んで「埼玉の女マルコ・ポーロ(笑)」。現在は東京在住です。編集プロダクションで旅行ガイドブックの編集を経験後、バックパッカーとして世界を巡る。これまでに訪れた国は100以上。現在はフリーランスライター&編集者として、再び旅行ガイドブック作成に関わる日々。
旅の素晴らしさ、世界の文化の多様さを、多くの人に伝えたいと願っています。

ウェブサイト:https://sawakon29.wixsite.com/writer
メール:sawakon29@hotmail.com

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変わりゆく焼き物の街・常滑
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常滑市は、愛知県西部にある人口5万人ほどの小さな市。
日本六古窯のひとつとされ、よく家庭で見る「朱泥」という赤茶色の急須で知られている。

この常滑市が「陶器の街」として観光地化されているのを知ったのは、確か数年前だったと思う。
誰かのブログを見たが、いたるところで焼き物が見られ、楽しそうな印象を受けた。

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訪れたのは12月30日。こんな年の暮れに行ったら、すごい人でうんざりするかもしれない。
そう思ってちょっとびくびくしていたが、実際は思ったのと正反対だった。

年末なのでほとんどの見どころや店が閉まっていて、寒風吹きすさぶ小路に観光客は少ししかいない。逆にちょっと寂しい印象を受けてしまうほどだった。

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それにしても、レトロ感ただよう町並みはなかなかいい感じだ。
中部国際空港に近いからだろうか、中国人の観光客も見かけた。

「団子いかがですか~」
こう呼び止められたので、ちょっと休憩することにした。
プレハブのような店内に入ると、店主の村田さんとその友達の地元のおじさんがいたので、団子をほおばりながら話を伺う。

村田さんはかつて土管を焼いていたそうだが、現在は団子屋さん。それと同時に詩人であり、町おこしのために尽力されている地元の有名人でもあるようだ。
この「だんご茶屋」は常滑でも有名な店で、芸能人も多く訪れるという。

「常滑にはかつて、300ぐらい焼き物やってる家があった。でも平成に入った頃からか、中国製の安い陶器が入ってくるようになって、今では数十軒に減ってしまったよ。作っても売れんもん」

もう一人のおじさんも、48歳までは花瓶を作っていたが、今はやめて空港の警備員をしている。陶芸をやめた人たちも空港ができたことによって仕事の口ができ、街もいくらか活気を取り戻したという。

それにしても、私が訪れた時期が悪かったのだろうが、廃れてしまった寂しい街という印象がぬぐえなかった。
ただしそれは決して悪いイメージではなく、どんなものにも繁栄のときがあれば衰退のときがあるのだなあと、達観したようなことを考えながら寒い町をさらに歩き続けた。

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排水溝などに使う土管を、壁に埋め込んである。
こういう土管はかつてはよく使われていたが、年月を経ても古びることがない。だから頻繁に工事をするほうがもうかる工事業者は、この土管を使わなくなってしまったという。
重たくて扱いにくいうえに、継ぎ目から水が漏れるという欠点もあったのだろう。
こういう重いものをせまい路地ばかりの街で作って運んでいたため、陶芸は非常な重労働だったという。

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レトロな看板がかわいい

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個人宅の庭で見つけた陶製のネコ

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土管が埋め込まれている小路は期待するほど多くないが、そのひとつである土管坂

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かつて8つの家で共同で使っていたという登り窯。現在は使われておらず、観光用に残されている

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登り窯の前にある「ギャラリー&カフェ ほたる子」でおちょこを物色。

店にいる間、オーナーさんと少し話をした。
薪の釜は温度調節が大変だ。焼いている間目が放せず、何十時間も交代で見ていなくてはならないという。
だから近年陶器の焼成には、薪でなく電気やガスの釜を使うのが主流になっているそうだ。

しかしいまだに薪の釜を好む人も多いのだという。なぜなら薪の灰が陶器にかかると、まるでうわぐすりをかけたようなつやがでるからだという。

木を燃やしてできた灰が、土からできた陶器を美しくする。時代を越えて好まれるものは、きっとこういう種類の美しさなのだろうと思う。

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店内では小太りにゃんこが、あったかいベンチを独り占め

おちょこは2500円のものが一番好きだったけれど、節約して1000円のものを2つ購入。それも値下げしてあったので、1つ600円になった。仕上げだけ薪釜で焼いたものだという。(写真は今度撮ったら載せます)


・・・陶芸に関わる人が激減した「陶器の街」。
・・・ガスや電気の釜にとって代わられた焼成法と、逆に珍重される薪の釜。

これらのことを考えると、時代の流れと移り変わりを感じずにはいられない、常滑の街歩きだった。
   
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