旅づくし
菅沼佐和子 文と写真の修業用ブログ
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さわこ

Author:さわこ
SAWAKO
人呼んで「埼玉の女マルコ・ポーロ(笑)」。現在は東京在住です。編集プロダクションで旅行ガイドブックの編集を経験後、バックパッカーとして世界を巡る。これまでに訪れた国は100以上。現在はフリーランスライター&編集者として、再び旅行ガイドブック作成に関わる日々。
旅の素晴らしさ、世界の文化の多様さを、多くの人に伝えたいと願っています。

ウェブサイト:https://sawakon29.wixsite.com/writer
メール:sawakon29@hotmail.com

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仏領マルティニーク
長期旅行をしていると、ときどき思いもよらなかった土地にたどり着くことがある。
旅の途中で魅力的な場所の情報を得て予定を変えることもあるが、そうでなくても何らかのアクシデントなどで、まったく違う世界にいる自分を見出したりするのだ。

たとえば昔、私はスペインのバルセロナからイタリアのジェノヴァ行きの列車に乗ったつもりだったが、なぜか到着したのはスイスだった。
種を明かせばなんのことはない。ジェノヴァGenovaとジュネーヴGeneveのつづりが似ていたので、列車を間違えたのだ。

カリブ海に浮かぶ島・仏領マルティニークも、そんな風に予期せず訪れた場所のひとつだった。

2004年10月、南米の仏領ギアナからパリへ飛んだとき、エールフランスのチケットが買えず「エール・カライベス」という未知の会社の飛行機を利用することになった。
それがマルティニーク島経由だという。

出発の前日まで名前すら知らなかった島。こんな場所に行けるチャンスはめったにない。そう思って1日ストップオーバーを決めた。

20091126-1.jpg

いよいよ出発。仏領ギアナは物価が高く、空港に1泊しただけですぐ立ち去った。だから見どころはどこにも行っていない。
こんな小さな飛行機に乗って、いざ出発。

20091126-2.jpg

マルティニーク島では、飛行機の中で知り合った女性マリ・ヘレンが親切にも車で島をめぐってくれた。ここも仏領ギアナと同じく、フランスの4つある海外圏のひとつ。公共の交通機関は発達していないが物価はヨーロッパ並みで、お金のない私には彼女の親切が非常にありがたかった。

写真は県都のフォール・ド・フランスの町。ここではほとんど写真を撮らなかった。
かろうじて車のなかから撮影した町。マクドナルドがある~。

20091126-3.jpg

フォール・ド・フランスにあった大きな教会の内部。熱帯の島国らしい開放感が漂っている。

20091126-4.jpg

ここはどこか覚えていないが、島を一周する途中の港。

別の場所からは、海を隔てて小さく隣の島国が見えた。
かつてはイギリス領であったセントルシア。
「あの島は、独立したために貧しくなってしまったの」マリ・ヘレンが言う。

海外圏であり続けるがゆえに、豊かな生活を享受しているように見えるマルティニーク。その一方、独立したために経済的な困難を抱えるようになったセントルシア。

独立をするのとしないのと、どちらがよい選択だったのだろうか・・。

20091126-6.jpg

1830年、この付近の海で難破した奴隷船を記念して建てられたモニュメントのようだ。
奴隷商人など46人が死亡。生き残ったのは全員が黒人だったという。

20091126-5.jpg

海辺のこじゃれたレストランでランチ。こんなおしゃれな料理は久しぶりで、値段を聞くのが怖くてしょうがなかった。幸いマリ・ヘレンがおごってくれたけど・・。



・・・かのコロンブスは、マルティニークを「世界で一番美しい場所」と呼んだという。

当時は何も知識がなかったが、今ウィキペディアを読むと、かなり激動の歴史を経てきた島だと分かる。ナポレオンの妻ジョセフィーヌはこの島の出身で、また小泉八雲もここに滞在したことがあるという。

私にとっては、もう二度と行かない可能性が極めて高い土地だ。
飛行機がまた、偶然経由でもしてくれない限り・・。

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ヨーロッパでお仕事しよう!(2)パリでブランド買い付け編
●普通「海外で働く」ということは、若い男女の夢にでもなりそうな(少なくとも日本人にとって)、素敵に心誘う響きを持つものだ。だが私が今回やろうとしているのは、ワーホリでもビザ持ちでもない違法労働。目先の金に困っているが、まだ旅はやめらんねえぜというしょうもないあきらめの悪さにより、ヨーロッパでひともうけたくらんでいるのだ。下心満載の私を乗せた飛行機は、ついに南米からフランスのパリに着いた。

運河
↑私はこの運河沿いのユースに宿泊

●ガイドブックも持たずにやってきた、6年ぶりのパリ。懐かしい思い出にひたりつつも、その物価の高さに受けた打撃は大きかった。記憶で探し当てたユースホステルは、なんと19.5ユーロ(2730円)もした。昔は1900円ぐらいだった記憶があるのに、フランからユーロになったと同時にこの値上げ。これはやばい。南米疲れをとる間もなく、私は激しくあせりはじめた。

●・・と、そこでナイスな出会いが。ユースホステルで会った日本人の男の子としゃべっていると、彼も働くことに興味を持っていることが分かり、あれこれと情報を教えてくれた。そしてもっと安い宿(Auberge Internationale des Jenes)を一緒に見学に行った時、その近くに日本人経営のネットカフェを発見。入ると、掲示板にいくつかの求人情報が貼り付けられているほか、日本語情報誌「オヴニ」も無料配布されていて、さまざまな仕事・バイトの広告が載っている。

●「ノービザで働きたいのなら、まず確実なのは治検かブランド品の買い付けでしょう。」
親切なネットカフェご主人の提案を受け、早速テレカを買って電話する。まだそれほど仕事熱が高まっていなかった男の子(「相棒くん」と呼ぶことにする)は「え~もうやるんですか?」と驚いていたが、そんなのに構ってはいられない。あちこち電話をかけた揚げ句、その日の夕方にブランド品買い付けのバイトをすることになった。乗り気でなかったはずの相棒くんも、話がまとまりそうになると自分もやろうという気になってくれた。

●ちなみにフランスには治検会社もあるが、うちひとつは居住許可証がないとだめだと言われた。「オヴニ」誌にはドイツの治検会社「フォーカス」の広告も出ており、電話をするとその時点では男性しか募集していないとのこと。しかしこの会社、たくさん人を集めておいてたくさん落とすそうで、外国からも人を集める割には、あんまり期待できない節もある。まあ、治検については次回のロンドン編で詳しく述べることにするので、興味がある方はお待ちいただきたい。

●さて、バイトに指定された場所を目指して、私と相棒くんはパリの街を進軍だ。ルーブル宮やチュイルリー公園を横目に歩き、遠くにエッフェル塔を望みながら、シャンゼリゼ通りに到着。再度電話をかけると、ある裏通りのカフェに来るよう指定される。ちょっとあやしげな空気を感じながらも、恐る恐る薄暗いカフェバーに入っていく。

シャンゼリゼ
↑シャンゼリゼ大通り

●・・そこにいたのが先ほどからの電話の主である、若い日本人女性だった。目立たない奥の席を占めて、書類をたくさんテーブルに並べているのがいかにもアヤしげだ。こんな場所が彼らの活動のアジト?となっているのだ。女性の手慣れた説明によると、こうである。
ルイ・ヴィトンは日本にも直売店があるが、ここパリで購入し、持ち帰って販売するほうが商品の価格を安くできる。しかしヴィトン側は、利益に関わるのでそんなことをされたくない。そこで当然予防策をはってあるが、それはパスポートの提示を求めること。パスポート番号をコンピューターに打ち込んで登録し、個人が購入できる商品点数を制限している。またパスポートを提示しなくても買い物はできるが、そうするとVAT(付加価値税)の還付が受けられないという。還付が受けられないと割高になるため、もちろんバイトの報酬も悪くなる。
だから一番安全かつ効率がいいのが、短期滞在の旅行者に買い付けを頼むことだ。この業者は2人組でパリに来ていて、毎朝街頭でバイトのスカウトもしているという。

●気になる報酬だが、基本的に買い付け金額の4パーセント。2回目以降、パスポートを提示せず買う場合は3パーセントだという。ヴィトン側は個人にしか売りたくないのだから、業者とバレそうになると売ってくれないこともある。いかに図太く、うまく素人の演技をして、あれこれ買い込んでくるかが勝負のポイントだ。

●カタログを見て説明を受け、買い付けるべき商品の特徴を頭にたたきこむ。そして商品番号のメモをとる。間違えたモノを買ってきてしまったら、報酬がもらえない上自分で返品に行かなくてはならない。そんな無意味かつ面倒なことだけは避けたいものだ。また商品にキズがないかをチェックすること、購入の際の演技のノウハウについても話される。こんな複雑な商品を、本当にちゃんと買って来られるのだろうか。そして日本人もいるという、ヴィトンの店員をだませるのだろうか。どんどん緊張が高まっていく。
最後にその女性から、パスポートと引き替えに20万円ほどのユーロ現金が入った財布を渡される。以前こうした買い付けにはクレジットカードが使われたようだが、他人名義のクレジットカードを使うことは違法だ。しかしこの現金方式だったら問題ないらしい。

ルイ・ヴィトン
↑こんなでっかいバッグ買えたら、報酬いくらになるだろう・・

●2時間ほどの説明後、いざお店へ。ただ歩いて店に向かうだけでも、相棒くんがいることをつくづくありがたく思う。それにしても南米後の真っ黒に日焼けした顔のうえに、このボロダサい格好。町中を歩くだけでも恥ずかしいのに、入ったこともないヴィトンなんかに行ったら妙な目で見られるかもしれない。

●とにかく運命の時は来た。きらびやかな店の入口に、もう着いてしまった。ああ、入らなくてはいけないのだろうか!?えい、場違いな店内に、思い切って入ってしまった。ここから相棒くんとは他人同士のフリ。最初忙しげに接客をする店員をつかまえられず、ぼうぜんと行ったり来たりする。目で相棒くんを探すが、どこか別室に行ったらしく姿が見えない。度胸のない私は冷や汗たらたら。日本人相手だと気持ちを見破られそうで恐いので、ついに英語を話す店員がつかまったのはよかったかもしれない。さて、勝負だ。本来はここから売る者&買う者トークが始まるべきなのだが・・・!

●そのトークとはいろいろな商品を持ってこさせて品定めし、「やっぱこれがいい」だの、「こうこういうのはないか」、などと注文をつけたりし、ただ機械的に買い付けをする業者だと思われないための戦法である。ヴィトンのことなんか何も知らない、しかも格好だって店にふさわしくない私が、こんな度胸のすわったことなんてできそうもない。そこで手っ取り早く何も知らない素人を装う戦法に決定。商品番号をメモした紙を店員に手渡し、「この番号の商品を買ってきてと、友達に頼まれたんですけど・・」と告げる。何の工夫もないやり方だが、一応あやしまれなかったようだ。やがて続々と頼んだ商品が運ばれてきた。

●ところが残念なことに、私が買うべき商品のうち、大型のものがいくつか品切れだという。ないものはしょうがない。早く店から出ることの方が、この時の私にとっては大事だった。ほかのものをすすめられても、一応それらしくいいわけをするのは忘れない。「ええと、友達はこれがいいって言ったので、違うものだと困ります・・・」
やっとのことで支払いを済ませ、店を出てもまだ演技は終わらない。名残惜しそうにディスプレーなどを見やってから、おもむろに歩いてさっきのカフェバーに戻る。
あああ・・・ぼのずごぐづがれだわ・・・。

●相棒くんは、まだカフェに戻ってきていなかった。ようやく帰ってきたところで揃って待望のお支払い。私は購入金額が少なかったので、その4%つまり37ユーロしかもらえなかったが、彼は59ユーロももらっていた。はああ・・もうどうでもいいから早く帰ろ・・・!2時間の説明と1時間ほどの買い付け。この緊張具合と疲れようでは、あんまり割に合う気がしない。

●帰り道相棒くんに話を聞くと、彼は若いくせに度胸があり、別室であれこれ店員に注文をつけては考えるフリをしたらしい。努力の甲斐あって、というか運良く品切れでなかったので、割合いいお金を手にすることができた。むむう・・不公平な。あまりにくたびれてお腹もすいたので、彼の提案もあってついレストランで食事することに。ああ~んこれじゃあ意味がないー!バイト代、今夜の食事と宿代でおおかた消えだわ・・・。

うさぎ料理
↑ぜいたくして食べてしまったウサギ料理

●ちなみにこのブランド品買い付け、ヨーロッパではあちこちで行われているようで、各国をめぐる買い付けツアーバイトなるものもあるようだ。ロンドンでは「ジャパンセンター」等で募集を見ることができるが、ロンドンのものは大体ユーロスターでパリまで行き、ブランド品を買ってくる。宿泊所も提供してくれるようだ。ブランドの種類は、やはりルイ・ヴィトンの募集が一番多い。ロンドン、パリの他、イタリアでも盛んなようだ。こんなことを毎日しこしこやってる業者がパリに潜入しているのだから、結構もうかるものなんだろうな。

●ともかくパリに到着早々、多少なりともお金を稼げてしまった。なんだかよく分からないが、さすがヨーロッパ!という感じ。ともかくこんなアヤしげな裏世界を覗けてしまうなんて、普通の旅ではなかなかできない面白い体験だったことは事実だ。
これでパリに見切りを付けた私は、3日後にロンドンへ向かう国際バスに乗り込んだ。違法労働のメッカ?であるロンドン。そこで私は、またしても面白い体験をすることになるのだが---その話は次回。

パリの花屋
↑花の都・パリの花屋さんにて





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